バラン用ダミーロードの製作
せっかくバランを作成しても、それがうまく動くかどうかを調べなければ意味がありません。
リグ側にはアンテナアナライザーを、アンテナ側には50Ωのダミーロードを接続してVSWRを測定します。
今回はバランに接続するためのダミーロードを製作します。
ダミーロードに必要な条件
最近のリグの特性インピーダンスは50Ωですので、当然ダミーロードのインピーダンスも同様に50Ωにしなければなりません。
今回は3.5~144MHzの範囲で使用できるダミーロードを作りたいので、周波数によってインピーダンスの値が変化してしまっては困ります。つまり、にしなければなりません。
定格電力も5W程度は欲しいところです。
直流回路でよく使われる大電力用の抵抗器に、「セメント抵抗」と呼ばれるものがあります。
あれは巻線抵抗の一種で、セメントの中に抵抗線がコイル状に巻かれたような構造をしています。直流を流す分には問題ないのですが、交流を流すとなるとコイルとしても働き、誘導性リアクタンスを持ってしまい、ダミーロードには適していません。
一方、チップ抵抗には巻線が使用されていないものが多く、リアクタンス成分がほぼ0となります。高周波特性はいいものの、小型なので定格電力が小さいという欠点もあります。
今回は、秋月電子の2W499Ωのチップ抵抗を使用し、10個並列にして10W50Ωのダミーロードを作成しようと思います。
製作
部品が決まれば後は簡単です。
秋月の両面D基板を使用し、片面につき5個のチップ抵抗をのせてはんだ付けすれば完成です!
アンテナアナライザーでこのダミーロードの周波数特性を測定してみました。
周波数[MHz] | インピーダンス[Ω] |
1.8 | 50 |
3.5 | 50 |
7.0 | 50 |
14 | 51 |
21 | 52 |
28 | 54 |
50 | 57 |
144 | 43 |
HF帯は問題なく使用できますが、VHF帯になると少しずつ特性が悪くなってしまうようです。