強制バラン製作記 (1)
気づいたら既に梅雨が明け、FDコンテストの時期が近づいてきました。
以前使用していたオールバンドのGPアンテナの調子が悪く、新しいアンテナを安価に揃えたいと感じていたところ、無線屋さんから自作をお勧めされました。
そこで、半波長DPアンテナを作ってみることにしました。アンテナの中でも基本中の基本のものです。
まずは、給電部の「バラン」の製作から。
回路図
次に示すのが、強制バランの回路です。同一のコアに3つのコイルが巻かれています。
上と真ん中のコイルに高周波が通ると、下のコイルに電磁誘導を起こすというものです。
材料
まずは材料をそろえなければなりません。
ネットで調べて、秋葉原で買ってきました。
材料 | 量 | 値段 | 備考 | 購入店 |
トロイダルコア | 1個 | FT-114#61 | 富士無線 | |
被覆線 | 3本 | - | 家にあったもの | - |
M型コネクタ | 1個 | 530円 | 丸型のメス | 富士無線 |
チップ抵抗 (2W499Ω) |
10個 | 140円 |
並列にして20W50Ωの ダミーロードを作成 |
秋月電子 |
バランの製作
右も左もわからない状態ですが、とりあえず巻いていきます。
多くのブログなどで「バランはコアに8回トリファイラ巻きをするとよい」と書いてあったため、これを参考にしてみます。
まずは被覆線どうしを密着させるため、3本まとめて捩ります。電動ドリルで引っ張りながら作りました。
こんな感じでしょうか?
捩り終わったら、それをトロイダルコアに密着させるように8回巻いていきます。
被覆線はきつく巻いてもすぐに緩んでしまうので、巻き終わったら結束バンドで固定しておきましょう。
あとは回路図の通りに芯線をはんだ付けすれば完成です!
ダミーロードの製作
ダミーロードはこちらの記事で作りました。
バラン性能の測定
製作したバランにダミーロードを接続し、アンテナアナライザーで測定してみましょう。
なるべく結線を短くしないと性能が実際よりも低く測定されてしまうため注意が必要です。
今回使用するアンテナアナライザーは、コメットのAA-170です。OMさんから譲っていただきました。
測定結果はこんな感じになりました。
周波数[MHz] | VSWR | インピーダンス[Ω] |
1.8 | 1.1 | 50 |
3.5 | 1.06 | 51 |
7.0 | 1.12 | 57 |
14 | 1.47 | 73 |
21 | 1.7 | 92 |
28 | 2.1 | 100 |
50 | 3.5 | 80 |
144 | 5.0 | 250 |
UHF帯でしか運用は厳しそうですね…
いろいろと試行錯誤しながら改良していけたらと思います。